なぜ仕事を忘れてしまうのか?忘却のメカニズムを知れば仕事がうまくいく

前回までは記憶の仕組みについて話してきましたが、今回は記憶ではなく忘却についての解説をしていきたいと思います。

忙しくなるとどうしても仕事のタスクを何個か忘れてしまうんですよね。大事な商談の一部分をどうしても思い出せないとか。

すぐにメモっておけばいいと言う人もいますが、メモばかり増えても何が何だかわからなくなります。

人間はどうして忘却してしまうのでしょうか。

ビジネスマンとして一歩成長するために記憶のメカニズムについてお話したいと思います。

忘却の原因をさぐれ!

人間は一旦脳に入った情報のほとんどのことを思い出せなくなってしまいます。

今日朝起きて最初に考えたことを思い出せますか?

他にも、電車のなかで自分の目の前にいた人が女性だったか男性だったか。瞬間的に意識し脳には入っているのだが、数分もたてば忘れてしまう。

これは生きていく上で必要な機能でもある。不要な情報・嫌な思い出を忘れるという機能があるからこそ、新しいことを考えることができるし、前向きに生きられるのだ。

必ずしも忘却が悪というわけではないのだ。

しかし、困ったことに忘却したくないことも忘れてしまうことはよくありますよね。

必要な知識、仕事の手順、楽しかった思い出など。どうして大切なことも出忘れてしまうのでしょうか。

それは、記憶には3段階のプロセスがあると前回までにお話をしてきました。このプロセスの一つでちゃんと機能しなかったら記憶を失敗してしまい、忘却となってしまうだ。

最初の段階で記憶に失敗している

最初の段階で記憶されるところまでいっていない、未記憶という状態だ。もっとも単純であるがよく起こる記憶の失敗のパターンである。

朝に食べたご飯が思い出せない理由もここにある。ご飯を食べるという行動に注意が向いていなかったのだ。

テレビをみながら、考え事をしていた、なんとなく食事をとっていたなど、注意が向けられないと短期記憶にさえ記憶されていないのだ。

記憶の保持が上手く言っていない

砂場の砂山は雨風にさらされると崩れやがて平らになってしまうように、記憶は時間がたつに連れて思い出すことができる情報減少してしまう。

成人の脳細胞が日々減少してしまうので、正直どうしようもない。

記憶が思い出せない

テスト勉強をしっかりして前日にはちゃんと覚えていたのに、当日テストが始まったら関係ない情報ばかりが頭をよぎって大切な情報を思い出すことができなことはよくある。

大切な情報を関係ない情報がよぎって思い出すことを妨害してしまうことを記憶の干渉とい
う。

他にもこんな経験はあるだろうか?

久しぶりに人と会って顔を見たけど名前が全然思い出せない。しかし、なんとなく会話して情景が思い浮かんだことをきっかけに名前をパッと思い浮かんでくる。

これは記憶を思い出すための情報が顔ではなくその情景だったということだ。

インターネットの検索でも適切なキーワードで検索しないと必要な情報は出てこないですよね。

これと同じで記憶も特定の手がかり依存してしまっている記憶はなかなか思い出すのが難しくなってしまう。

エビングハウスの記憶実験

これは忘却について実際に行われた実験だ。この実験から忘却の対処法が見えてくる。

まず、任意のアルファベット3文字を無意味な音節で複数覚える。

このアルファベット3文字を時間の経過で、どれだけ忘れてしまうかのデータが以下となる。

20分→42%
1時間→56%
1日→74%
1週間→77%
1ヶ月→79%

無意味のない文字は、とても忘れやすいことがよくわかる。特に覚えてから1時間も経過すれば半分以上忘れてしまうのだ。

しかし、時間の経過とともに忘れにくなるということだ。一日覚えていたものは、一ヶ月経っても5%しか減っていない。

時間の経過とともに多少、記憶が減少してしまうのは仕方ないことかもしれない。しかし24時間しっかり記憶できてさえいればその後、長い期間記憶の保持にはせいこうするということだ。

記憶力のメカニズムに関しては今回で終了になります。次回からはより具体的な記憶力のトレーニング方法について解説をしていきます。

記憶力の向上は爆発的な仕事効率の向上につながるのでぜひ記憶力トレーニングを実践してみたください。

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